”It’s a small world” シンギュラリティサロンに行ってきた! 

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f:id:sam000urai:20160116221956j:plainPhoto:http://www.marmarine.jp/press.php

毎度のこと、20151226日(土)にシンギュラリティサロンに行ってきた。

私にとって月1の勉強会みたいな位置付けになってきて、とても有意義なサロンだ。

全体のお話は公式HPのサマリーに譲るとして、今回はその中で印象に残ったお話を紹介したい。

 

シンギュラリティサロン#11 栗原聡「加速する人工知能研究の未来」


私が一番印象的だったことは、人の脳の何がすごいのか?というお話で述べていた「パプアニューギニアのホタル」の例だ。中でもこのホタルが木で光っている写真が印象に残った。

そもそもなぜ、このホタルの写真になったかといえば、AIを創っていく上で人の脳から得られるヒントが「複雑ネットワーク(スモールワールド)であること」「複雑階層構造(≒Holon)であること」の2点だというお話から発展していった。

そして、その”複雑ネットワーク(スモールワールド)”の例として、このホタルの写真が用いられた。このホタルたちが面白いのは、一匹一匹が順に光っていくのではなく、細かい群れ(ある集団)ごとに光っていくという点だ。群れごとに光っていくので、俯瞰してみたときにはウェーブっぽく順番に光が点いていくように見える。つまり、何も音や信号で繋がっているわけではないにも関わらず、光を”同期”するのだという。

 

また、その他の”スモールワールド”の実験例として栗原教授は「ネブラスカ州オマハに住む住人160人に手紙を送り、その手紙をマサチューセッツ州ボストンの人物に届くように、心当たりに転送するようにと依頼した実験」を紹介された。

オマハとボストンで2250キロメートルも離れているが、結果はたったの6人でたどり着いたという。手紙を受け取った人はこの人だったら知っているかもしれない、この人だったらボストンに知り合いがいるかもしれないと徐々に対象を絞っていった結果であろう。世間は狭いとはよく言われる話だが、こう言う実験結果を知れば理解できる。

 

パプアニューギニアのホタルの話に戻るが、2つ目の「複雑階層構造(≒Holon)であること」というお話では、生命と機械の根本的な違いについて説明された。

生命は細胞によってできているが、その細胞一個一個は自分たちが生きることしか考えていない。だが、その細胞同士がくっつくことでこの我々の身体を構成している。そして、その細胞は入れ替わる、つまり去年の自分と今年の自分は違う細胞によってできているのだが、全体として我々の身体は同じ存在として見なされる。ホタルの例も、このホタルたちが個々で入れ替わったり、いなくなったりしても全体に影響はほとんどなく、全体としての木は光ったままで同じ木として見なされる。

人工的な機械の場合はわけが違う。コンピューターの中の部品が一つでもなければ全く動かなくなる。その点で人と機械では異なるのだ栗原教授は言う。

皮肉なことに自然は”不完全”なものを創りあげたが、我々が創るコンピューターは”完全
”でないといけないということだろうか。 だからこそ、人が人に人間らしさを感じる時というのは、その人の不完全な部分、欠点や弱っている状態の時、失敗した時などに感じられるのではないか。

反対にコンピューターみたいに完璧になんでもこなす人間や完全合理主義な人には人間らしさを感じないという印象を与える結果になる。人は自らが完全ではないからこそ、完全であるコンピューターを生み出したが、今後の人工知能やロボットに感情を抱くようになると、その時には”不完全さ”を求めるのであろう。

 

お話の中で出てきたワードなど

キャプテン・フューチャー

宇宙際タイヒミューラー理論 望月先生。その中にフェルマーの定理が出てくる

ホメオスタシス(恒常性) 気温など外部の環境が変わっても体の中を一定に保って生命を維持するしくみのこと。

ファウスト – Wikiwand

ブレードランナー

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