皆に遅れて、FACTFULNESS(ファクトフルネス)を読み終えた。電子版を購入したことを少し後悔しながら、2週間くらいでゆっくりと読み終えた。やはり、紙で読む質感は忘れがたい。読書した情景が記憶に刻まれるので紙のほうが好きだ。
さて、話題の新書ファクトフルネスだが、一言でまとめるならば、世界は悪くなっておらず良くなっているという事実を数字を見ながら解説している。人間には10の思い込み(思考の型)があり、その思い込みが原因で現実を歪めて見ていると。
教育レベルの高い人、世界中を飛び回っているビジネスマン、ノーベル受賞者でさえ、このような思い込みを持っており、事実に基づいて世界を見ることができていないと、著者 Hans Rosling (ハンス・ロスリング)がこの本を書きあげた。TEDでもお馴染みのスピーカーみたいで、ファクトフルネスを読みながら、彼のTEDもいくつか見た。
まず、彼は貧困の度合いをレベル1~レベル4までの4段階に分けた。確かに、貧困というと生活水準が低いという漠然としたイメージがあるが、具体的にすることが大切だ。
レベル1:1日2ドルで生活、約10億人いる
レベル2:1日2ドル~8ドル未満での生活、約30億人いる
レベル3:1日8ドル~32ドル未満での生活、約20億人いる
レベル4:1日32ドル以上の生活、約10億人いる

いくつか印象に残ったポイントを見ていきたい。
●それぞれ4つのレベルで考えること
『事実に基づいた世界の見方を身につけるにあたってのいちばんの障害は、自分の原体験のほとんどがレベル4から来ているということだ。そしてそれ以外の体験は、非現実的で極端な出来事を好むマスメディアのフィルターを通して得たものだろう。…ドラマチックすぎる「分断された」世界の見方の代わりに、4つのレベルで考える。これこそが、この本で伝授する「事実に基づいた思考法」のひとつめにして最も大事なポイントだ。 』
●世界の平均寿命は70歳
『1800年頃、スウェーデン人が飢えに苦しみ、イギリス人の子供が炭鉱で働いていた頃、世界のどの地域でも、平均寿命は約30歳だった。それまでの人類史において、平均寿命はずっと30歳のままだった。』
●世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は過去20年間で約半分になった
『 1800年頃は人類の85%が極度の貧困層、すなわちレベル1の暮らし(1日2ドル以下で生活するレベル)をしていた…人類はレベル1からスタートし、1966年まで、大半の人はレベル1で暮らしていた。 (1966年に50%に) 』
1800年ごろ85%であったレベル1の暮らしは2017年に9%になっている。そして、更にこれから2040年にかけて、レベル3の人口が最も多くなる。年々、人々の生活は向上しているのだ。

●世界の悪いことは減っている

●世界の良いことは増えている

悪いニュースは広がりやすい。 そもそも、悪いニュースしかメディアには取り上げられづらい 日常のことなど当たり前すぎて、人の興味をひかずニュースになりづらい。しかし、悪いニュースは人々が話題にしやすく拡散されやすい。近年のフェイクニュースの問題が記憶に新しい。
流れてくる情報をただ鵜呑みにするのではなく、ファクトフルネスで紹介している10の思い込みを意識しながら、自分の頭でしっかりと考え、判断することが大切だ。
最近はじめた瞑想(マインドフルネス)に加え、ファクトフルネスを意識的に日常で取り入れていきたい。
皆さんもファクトフルネスな生活をしていきましょう!
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