これまでの革命とこれからの革命

Pocket

未来はどうなるか?
歴史は繰り返されるのか?
という命題はいつの時代も議論の中心である。未来は予測するものなのか、訪れるものなのか、イノベーターが作り出すものなのか。ひとつだけわかっていることは”未来は誰にもわからない”ということであろう。
だからこそ、計画を立てる意味があるし、不確実性の中に生きるからこそ不安も感じるし、まだ見ぬ未来にワクワクすることもできる。
そんなわからない未来を考えることは、生きていく上で重要なことだ。
未来を考える時の考え方として、大切なことの一つとして歴史を振り返ることが挙げられる。私もその必要性を感じ、古典や宗教、歴史などを深く認識するよう努めている。
IT革命の時代と言われているが、そもそもどのようにIT革命が始まって、どういう歴史の流れの中でITというものが生まれたのか。もっと俯瞰してみたときに人類史の中での革命ってどんなものがあったのだろうか、などと疑問に思い、いろいろと調べてみた。

ドラッガーの考える人類史における革命

まず、経営を語る上で欠かせないドラッカーによれば、今起きている情報革命は、人類の歴史から見れば4番目の情報革命だそうだ。では、ドラッガーの考えている革命とはどの革命のことなのだろうか?ジャストな記事を見つけたのでこちらから引用、付け加えて紹介したい。


第1回 インターネットが歴史始まって以来の革命というウソ (1/2ページ) – ドラッカーさんはいいました――それは違う! : 日経Bizアカデミー

1.文字の発明

 文字は5000年から6000年前、古代メソポタミアで生まれ、それから数千年して中国で同じことが起き、中央アメリカのマヤ文明でも文字が発明された。

文字の発明


文字の歴史 – Wikiwand

2.本の誕生

 本の誕生は紀元前1300年ごろの中国で発明された木版印刷が最初で、そこからグーテンベルクが活版を発明し、本格的に本が生まれた。


本 – Wikiwand

3.印刷革命

こちらの革命は広く周知されているだろう。1450年から1455年にかけて、グーテンベルクが発明した印刷技術によって、世の中に広く知識や思想が広渡り、まさに「印刷技術は社会構造を変えた」のである

印刷技術の発明によって書籍が普及し、その結果として次から次へと大学が生まれ、教育制度を根底から覆した。ルターらキリスト教・プロテスタントの主張が本となって、それまで聖書やキリスト教の解説書を自らの目で読むことのできなかった一般大衆が読めるようになった。それまでは、ローマ・カトリックの神父の話を聞いて信じるしかなかったのです。印刷技術の発明の結果として、プロテスタントの主張がヨーロッパ全土にあっという間に広がり、宗教改革の下地をつくりました。

 4.IT革命

 2005年に亡くなったドラッガーだが、IT革命を肌で感じていたのは間違いない。(というか2005年という最近まで生きていたことを最近知りました。驚き。)だが、まだ発端にすぎないということを言わんばかりの言葉を遺している。

「それに比べれば現在のハイテクは社会構造を変えるまでには至っていない。高度に発達したコンピューターでさえ、内部のデータを加工しているにすぎない」

「コンピューターは自動車工場を自動化するなど運営面では絶大な効果を人類にもたらしたが、情報の変革という点から見れば、印刷技術が発明された時代と変わってはいない。」

「コンピューターやインターネットによって便利になったことが、革命そのものだと勘違いすべきではない」

「現段階での情報革命は、15世紀の印刷革命に比べれば衝撃度はまだ小さい。グーテンベルクが発明した印刷技術によるコストの削減は今の比ではない」

Gumi国光氏の考える革命

先日といっても1ヶ月前くらいになるが、Gumiの国光さんが書いた記事を見つけた。2011年に書いたものだが、ちょうど革命を考える上で現代のIT革命を中心に書かれており、面白い内容だったのでこちらも合わせて紹介したい。


Facebookの次の覇者は、さらに多くの情報を収集、分析できる企業【gumi国光宏尚】 | TechWave

1.印刷革命 15世紀 グーテンベルクによる革命

こちらはドラッガーと同じ印刷革命について触れている。

2.農業革命 18世紀イギリス

ー灌漑技術などが発達し人類は自分たちで生産をコントロールできるようになった。
その結果、定住が始まり、集落が形成され、人口が増えた。そしてそれを取りまとめるために国家、法律ができ、宗教が必要になった。また、農業生産が増加した結果、人口革命といわれるほどの人口増加をもたらし、産業革命の要因の一つとなった

3.産業革命 18世紀半〜19世紀

情報のボトルネックとなる仲介者の部分を抑えた者が影響力を持った。産業革命は「マス革命」だった

4.情報革命 1980年以降

記事を読んでもらうとわかるが、Yahooのディレクトリから始まり、グーグル、Facebookのパーソナル情報の収集、AmazonのレコメンドシステムとIT企業の根幹となる技術の流れ、変遷をわかりやすく解説されているのでぜひ一読していただきたい。

データを収集、分析するところが覇者になる

まずは「収集」する新しい仕組みを作ることが重要だ。そこに非常に大きなビジネスチャンスがあるのだと思う。収集したデータのマネタイズはすぐに考える必要はない。マネタイズを考えて小さな仕組みにするより、まずは永続的に情報を収集できる仕組みに育てることに専念すべきだ。

 

これからの革命

今回はたまたまドラッガーと国光さんの記事が見つかったので、お二方の時代認識を紹介させていただいた。歴史は曖昧だ。常に勝者によって創られてきたものだから、事実ではないかもしれない。人によって認識も様々だ。だが、自分なりの歴史観を持ってこれからの時代を生きていきたいと改めて思う。

Gumi国光さんが語ったIT革命。この先が最近の2014年〜2015年のトレンドである。SNSによるパーソナル情報の収集の加速、キュレーションメディア、人工知能によるレコメンドシステムなど。最近の日本でいえば、人工知能を使った人材サービスなどがちょっとしたトレンドでもある。

そして、「データの収集」「分析の仕組み=人工知能」の次は、「人工知能でも未だ及ばない人間の創造力(創造力)やデザイン力、妄想力」というのがキーになってくるのだろう。

さらにその先は、SoftBank孫さんやAmazonジェフベゾスが言うように、むこう300年革命が続く。いまだIT革命はまだ始まったばかりだということ、300年続く革命の初期段階だということ。

そう思うと、なんて素晴らしい時代に生きているのだろうか、とつくづく思う。こんなにも刺激的な時代があるのか。非常に楽しみな時代だ。

今、生かされていることに感謝し、革命の中に生きる者として未来を創っていく一人でありたい。


「300年後は平均寿命が200歳に」:【全文】ソフトバンク孫正義が予測する“テクノロジーの進化” | U-NOTE【ユーノート】


世界の4000年間にわたる国家間の興亡の流れが見るだけでザックリと理解できる「The Histomap」 – GIGAZINE


IT発展の歴史をまとめたインフォグラフィック「Evolution of The IT PRO」 – GIGAZINE

Pocket

最近の投稿

広告

最近の投稿

Be First to Comment

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA