タイトルが斬新ですね。
神がいるいないの話ではなく、そもそも神という概念は人が創ったものなんだ、ということを科学、脳機能、宗教の視点から言っている本です。タイトルにもあるように、この本では人(脳)が神を創ったということを前提に置いています。
著者は苫米地英人という方。なんとも怪しい人ですが、肩書きはしっかりされていて脳機能学者・計算言語学者・分析哲学者・実業家という顔を持っています。
日本では聞くだけで巨乳になる着メロ(笑)などで知られ、またオウム心理教の信者を脱洗脳したことで有名になった人です。
先日、この人の存在を知り、YouTubeで色々見てみると、単純に面白い!と思ったので本を読んでみることにしました。この人の言っていることはYouTubeでも本でも本質的には同じで、他の本を見てもだいたい同じようなことを言っているので、この方の著書をたくさん読むまではないなといった感想です。
苫米地節というか、彼は要点を紡ぎだすのが上手い。編集、ストーリーをつくるのが上手だなという印象です。
ただ入門書として、読み物としてはとても面白いので是非手にとってみてください^^
目次
序章 なぜ、脳は神をつくったのか?
第1章 人はなぜ神を必要とするのか
第2章 宗教と統治力
第3章 神は存在するのか?
第4章 西洋のキリスト教と東洋の仏教
第5章 神・宗教から自由になる方法
印象に残ったこと ーメモー
・「1991年に神は正式に死んだ」
→著書中にある言葉ですが、この言い方がまた良いですね。笑 神=全知全能=完全なものと仮定し、それは科学の理論上ありえないことが証明されたということを言っています。
・日本の仏教はいろいろと間違っている。
→日本における仏教は中国から輸出された。なので、道教化された中国の仏教と儒教が入り混じったもので、オリジナルな仏教ではない。その例として、土葬やお経を唱えることなどが偏った例だという。
・オリジナルな仏教は現代にはないに等しい。
→チベット仏教がそれと近いがチベット仏教もチベットに古来から伝わる宗教の影響を受けており、オリジナル仏教の思想は半分くらいしか残っていないという。
・階級によって信仰する宗教が異なる。
→支配階級の使っていた宗教、非支配階級が使っていた宗教がある。ちなみにインドでいえば支配階級はバラモン教を、非支配階級はヒンドゥー教を信仰していた。中国では支配階級は儒教、非支配階級は道教を信仰。
・歴史は勝ち負けだということ
→宗教でいえば、今残っている宗教は単に競争に勝ったから残っている。それ以外は負けたというだけのこと。
・ゲーデルは天才。
などなど
感想
この本は、世の中の現象を一歩引いて見るためには必要とする考えなどを述べており面白かったです。ただ、前述した通りYouTubeなどで見ているとだいたい言っていることは一緒なので、本はより整理して理解するために必要かなといったところです。
また、この本の感想ではありませんが、先日読んだ「宇宙はなぜこのような宇宙なのかー人間原理と宇宙論ー」と内容を照らし合わせてみると、宇宙論という現実の学問と、神や宗教という抽象的な学問との相関が見えてきて、更に理解が深まりました。
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